自己現実

 

 これは自己現実論とか小難しい話ではないと前置きして。

 

 詩なんかまったく書く必要がない毎日に幸福を感じる今日この頃。それは誰かに聞いてほしいとか、誰かに承認してほしいという欲求がなくなったからだろうと思う。自身が人生や日常生活で抱えている問題は若い頃よりもずっと大きいものの、誰かにわかってほしいなどとぐだぐだと語ることがいかに女々しいことかわかってしまったし、また、語ったところで所詮他人にはわからないこともわかってしまった。意外なことに、それは長い旅路の果てにたどり着いた我が家のように安堵できる境地だった。諦めに似た失望感も経由して、何も語らない潔さの中に自立という美しさと静けさを見つけた。これは自身を含め、表現などという大層な言葉を使って下らない自分語りばかりする人間を多く見てうんざりした結果でもある。本当に大切なことは自分の中で語り、また語り直してゆくものだろうと思う。簡単に語り得ぬもの、それこそが自分の中に見つめ続けるべきものだろうと思う。